騎士団長のお気に召すまま
「ほっといてくださいよ」

からかわれているのだと思ったアメリアは口をとがらせる。


「冗談ですよ」


それからまたシアンが近づく。

近づいて、唇が触れた。

目を見開くアメリアに、シアンはいつになく優しく微笑む。


「好きですよ、アメリア。結婚してください」


絶対に結婚したいと思っていた。

没落寸前の家を、家族を守るためにはその選択しかなかった。

これ以上誰かが見初めてはくれないだろうと思って飛び込んだ騎士団での生活。

遠回りだったのかもしれないと思うこともある。

けれど、あの時のように結婚するなら誰でもいいとはもう思わない。思えない。

あなたと、生きたい。



「はい」



微笑んだシアンの頬にそっとキスを落とした。



fin.
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