騎士団長のお気に召すまま
いかに貴族の娘だとはいえ、アメリアは今、貴族社会の最底辺に存在している。今更貴族扱いなどされてもされなくてもどちらでも構わない。
そんなことよりも真っ先にシアンに確認しなければばらないことがアメリアにはあった。
「ひとつ確認をしてもよろしいですか、シアン様」
「何でしょう」
「本当に考えてくださるんですよね?私との…ミルフォード子爵家との縁談を」
それはアメリアがここに来た理由だ。
縁談の話が成立しなければミルフォード家は終わる。父母や使用人を路頭に迷わせるわけにはいかないのだ。
シアンはあっさり頷いた。
「もちろん、それが条件ですから。きちんと考えさせていただきます。とはいえ、『考える』だけですから、本当に縁談が成立する確率はとても低いですけれど」
変わらないその返答に、アメリアは両の拳を握った。
「…それでも、少しでも可能性があるならそれに賭けますわ。私はあの家を守らなければなりませんから」
それを聞いたシアンは「そうですか」と曖昧な返事をして息を吐き出した。
「ではお仕事の話をしましょうか」
するとちょうどそのとき扉が開いた。
入ってきたのはアメリアよりは少し年上の、茜色の癖のある髪を一つに束ねた女性だった。
つり目の彼女はちらりとアメリアを見るとすぐに逸らしてシアンを見た。
「来てくれて助かりました、ジル」
ジル、と呼ばれた女性は少し戸惑っているらしく「一体何の用ですか」と言った。
「こんな下っ端みたいなあたしを、わざわざ団長が呼び出すなんて」
そんなことよりも真っ先にシアンに確認しなければばらないことがアメリアにはあった。
「ひとつ確認をしてもよろしいですか、シアン様」
「何でしょう」
「本当に考えてくださるんですよね?私との…ミルフォード子爵家との縁談を」
それはアメリアがここに来た理由だ。
縁談の話が成立しなければミルフォード家は終わる。父母や使用人を路頭に迷わせるわけにはいかないのだ。
シアンはあっさり頷いた。
「もちろん、それが条件ですから。きちんと考えさせていただきます。とはいえ、『考える』だけですから、本当に縁談が成立する確率はとても低いですけれど」
変わらないその返答に、アメリアは両の拳を握った。
「…それでも、少しでも可能性があるならそれに賭けますわ。私はあの家を守らなければなりませんから」
それを聞いたシアンは「そうですか」と曖昧な返事をして息を吐き出した。
「ではお仕事の話をしましょうか」
するとちょうどそのとき扉が開いた。
入ってきたのはアメリアよりは少し年上の、茜色の癖のある髪を一つに束ねた女性だった。
つり目の彼女はちらりとアメリアを見るとすぐに逸らしてシアンを見た。
「来てくれて助かりました、ジル」
ジル、と呼ばれた女性は少し戸惑っているらしく「一体何の用ですか」と言った。
「こんな下っ端みたいなあたしを、わざわざ団長が呼び出すなんて」