臆病でごめんね
「はい。仰る通りです」
「最初は社員さん達も気を使って、黙って後始末をして下さっていたみたいなんです。だけどそういうことが何度も続いたので、「これは一度きちんと上に報告しておいた方が良いだろう」という事になり、総務課に話が行き、そしてウチの会社に連絡が来たという訳です」
「そうですか…」
「管理表に押印する決まりだから、誰が最後に作業したかは一目瞭然ですからね。「またこの人か」となって、それで余計に社員さんは物申しておいた方が良いだろうと判断したようです」
「申し訳ない事をいたしました」
先輩は深々と頭を下げてから話を続けた。
「彼女の動きをきちんと掴めていませんでした。言い訳になってしまうのですが、私達の仕事は常時数人で組んでやる場合もあれば、研修後、すぐに独り立ちするものもありますよね。給湯室に関しては後者でして…」
「台所仕事なんて、そんなに長期間みっちり、手取り足取り教えるようなものじゃないですもんね」
宇梶さんは苦笑混じりに返答した。
「普通は一度説明されれば分かりますよ。別に、阿川さんや他のスタッフさんのせいではありませんので。あくまでも本人のやる気の問題じゃないのかしら」
そこで彼女は私に視線を移す。
「最初は社員さん達も気を使って、黙って後始末をして下さっていたみたいなんです。だけどそういうことが何度も続いたので、「これは一度きちんと上に報告しておいた方が良いだろう」という事になり、総務課に話が行き、そしてウチの会社に連絡が来たという訳です」
「そうですか…」
「管理表に押印する決まりだから、誰が最後に作業したかは一目瞭然ですからね。「またこの人か」となって、それで余計に社員さんは物申しておいた方が良いだろうと判断したようです」
「申し訳ない事をいたしました」
先輩は深々と頭を下げてから話を続けた。
「彼女の動きをきちんと掴めていませんでした。言い訳になってしまうのですが、私達の仕事は常時数人で組んでやる場合もあれば、研修後、すぐに独り立ちするものもありますよね。給湯室に関しては後者でして…」
「台所仕事なんて、そんなに長期間みっちり、手取り足取り教えるようなものじゃないですもんね」
宇梶さんは苦笑混じりに返答した。
「普通は一度説明されれば分かりますよ。別に、阿川さんや他のスタッフさんのせいではありませんので。あくまでも本人のやる気の問題じゃないのかしら」
そこで彼女は私に視線を移す。