【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
漆黒の闇に包まれた夜に、この辺りは草木しかないせいで、本物の闇が外を支配していた。
もう遅いからと。倉庫に泊めてもらった。
歩夢さんから話を聞くと、紫蓮想は結構有名な暴走族で、蘭君で五代目らしい。
あんまり暴走族に興味が無い私は、歩夢さんの話を聞いたり聞かなかったり。
私が興味あるのは蘭君であって、正直紫蓮想のことなんてどうでもいい...。
でもさすがに、そうハッキリは言えないから、相槌(あいづち)だけはちゃんと打っていた。
「ーーー1人でちゃんと寝れるのか?」
ダンボールが山積みに置かれている物置部屋を借りて、寝ようと寝転がった時。
ノックもしないで、蘭君が部屋に入ってきたから、大慌てで起き上がった。
「ねっ、寝れますともっ!!
ていうか蘭君!!ノックぐらいして〜〜」
よかったー!!寝てなくて。
寝てたら絶対寝顔見られてた...恥ずかしい。