【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「えええ!?
蘭君さっきの歩夢さんの話聞いてたでしょー!?
私、今日から蘭君のお世話係なんだからっ」
「歩夢はああ言ってたが、大迷惑だ。
この前は仕方なく家に入れたが、今は部屋に入れる意味も理由も無い」
「でも...っ」
「さっさと帰れ」
「...っ...」
蘭君の冷たい言葉なんか、いちいち気にしてたら身が持たない。
分かってるけど...
やっぱ好きな人にこうもハッキリ言われると、傷ついちゃうのが乙女心。
でも、ここで諦められないのも乙女心なんです。
「...早く治してほしいから」
「...あ?」
「蘭君のその腕!!!!
早く治ってもらわないと、私罪悪感で死んじゃうよっ!!
だからお願い!!世話だけでもさせてよー!!」
涙をコンクリートに滲ませながら玄関前で土下座。
これには蘭君もドン引き。
私が大声を出したせいで、何事だ?と。お隣さんが部屋から出てきて様子を見に来た。
さすがの蘭君も、人目は気になるらしい。
私の腕を折れてない方の手で引っ張って、部屋の中に入れてくれた。