【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「お前...ふざけんなよ」
「えへへ...」
「笑ってんじゃねーよ、アホ」
ペシっと軽く、おでこを叩かれた。
でも全然痛くない。
これも愛の力?...なんて。馬鹿なことを考えていると。
なんにもない殺風景な玄関で、私と蘭君はなぜか見つめ合う。
ーーードキッ。
ガラスみたいに綺麗な蘭君の瞳に見つめられ...
ドキドキザワザワと。胸の奥が落ち着かない。
なっ...なんか喋らなきゃ...
でも、なんで急に黙り込んだの...?蘭君。
「ーーーおい」
「はい!?」
蘭君の色気のある声は、うなじを指でなぞられたみたいに、ムズ痒かった。
「やっぱお前帰れ」
「えっ、」
「...明日から来い」
「......えっ?」
「着替え。
家が遠いからってどうせ泊まり込むつもりなんだろ?お前。
もう俺の服貸してやんねーから。
必要なもんだけ持って、明日ここに来い」
「...いいの?」
「お前のしつこさには負けた。
勘違いすんなよ、俺は女が嫌いだ」
「...う、うん?」
「だからお前のことを女として扱わねえ。
明日っからお前、俺の奴隷だから。
めちゃくちゃこき使ってやる」
「...」
「お前の口から"帰りたい"って言わせてやるよ」