【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
コバルトブルーの空が、段々闇に侵略されていくのを見て少しだけ切なくなる。
「もう...夜か...」
海岸で1人体育座りしながら考え事をしていたら、もうこんな時間だ。
お昼に蘭君の住むマンションに行って、何度ドアをノックしても応答はなかった。
数時間玄関の前で待ってても彼は現れなくて。
まるで世界に私一人だけが取り残された気分になって、1日蘭君を見てないだけで心が闇に追い詰められる。
この時間なら、きっと。
きっと居るかもしれない。
そう勝手に決めつけて、向かった先は紫蓮想の倉庫。
いつの間にかすくすくと成長した雑草が、余計倉庫を目立たなくさせていて迷子になりそうになったけど、なんとか無事に着いた。
もう...こんな時間。
辺りは闇一色の深夜だ。
蘭君には倉庫に近づくなって、この前注意されたけど
怒られてもいいから会いたい。
すっごく...会いたいの。