【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
世界が一瞬で真っ白になる瞬間を、初めて体験した。
嫌味なほど泳ぎ疲れた熱帯魚が、水槽替わりの私の脳内で死んでいく。
ブクブク
ブクブク
溺れていなくなって、そしてそれは
涙へと変わって、頬に滑り落ちてきた。
少しでも気分を明るくしようとして着た黄色いカーディガンが、涙で濡れて濃ゆい汚い色に変わっていく。
なんで...
なんで私に顔を見せてくれないの?蘭君。
だってあんなに、仲良くお喋りして私たち友達だって...。
1つ1つ、粉々になって消えてく欠片が、私の世界を壊していく。
彼の隣にいたのは確かに私だった。
”出会えてよかった”って。
言ってくれたあの照れた顔は、全部私の心を踏みにじるための演技だったの...?
冷たくて分かんない。
凍てついた心の隙間に、ヒビさえ入れてもらえないなら
もう全部ーーー消えてなくなってしまえばいいのに。