【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
*
目を閉じていたらいつの間にか終わってる授業は、どれだけつまらないかを毎回確認させられる。
朝の挨拶をして
授業を受けて
給食を食べて
掃除をして
また授業を受けて、帰りの会を始めて、からの放課後。
皆と同じタイミングで息を吸う
今日も無事、子供の義務を果たしたんだ。
放課後ぐらい、義務じゃない普通の俺でいさせてくれよ...。
決められた仕事しかしない教師の動作を見て
次第に溜まっていく、大人への不信感。
大人って実は、ロボットなんじゃないか...?
俺もいつか、こうなんのかよ...。
ぜってぇ、やだな。
「らーん!なにしてんだよ、今日も虫取りに行こうぜ〜」
「...おう」
友達に名を呼ばれ、ハッと我に返る。
机の横に下げられているランドセルを背負って、学校という名の鳥籠から抜け出した。
放課後だけは、友達といる時だけは、なにもかも忘れられるから好きだ。
心のどこかで俺は...父さんと母さんの関係、いや。
殴られても黙って夫婦関係を続けている母さんに、少しだけ不信感を抱き始めていたんだ。
あの日見た光景から...俺は少しだけ
母さんが怖い。