【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
階段を上がって、自分の部屋に入る前に隣の鈴の部屋に立ち寄っても、鈴もいない。
んだよ...
また鈴と母さん2人だけで出かけたのかよ。
鈴ばっかずりぃよなー
俺だってたまには母さんと二人っきりになりたいのに。
口を尖らせて、頭の中で愚痴を吐いてみた。
暇だしさっさとお風呂を済ませて、ソファに座りながらリビングでお笑い番組を観た。
部屋中に響く、テレビから聞こえてくる笑い声。
楽しいはずのお気に入り番組なのに、家の中が静かすぎてつまんねえ。
いつも母さんが必ず家の中にいる安心感
なのに、今日はそれがない。
ーーー不安だ。
「...っ...」
ダセェ...
母さんがいないだけで、1人ってだけで涙が出てきた。
仕方ねえじゃん
だって、こんなに長い時間1人になったことねーんだもん。
母さん...早く帰ってきてくれよ。
そう願って、ソファに添えてあるクッションに顔をうずめて涙を隠した
その時。