【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。





階段を上がって、自分の部屋に入る前に隣の鈴の部屋に立ち寄っても、鈴もいない。



んだよ...


また鈴と母さん2人だけで出かけたのかよ。


鈴ばっかずりぃよなー


俺だってたまには母さんと二人っきりになりたいのに。




口を尖らせて、頭の中で愚痴を吐いてみた。



暇だしさっさとお風呂を済ませて、ソファに座りながらリビングでお笑い番組を観た。


部屋中に響く、テレビから聞こえてくる笑い声。




楽しいはずのお気に入り番組なのに、家の中が静かすぎてつまんねえ。



いつも母さんが必ず家の中にいる安心感


なのに、今日はそれがない。



ーーー不安だ。



「...っ...」



ダセェ...


母さんがいないだけで、1人ってだけで涙が出てきた。



仕方ねえじゃん


だって、こんなに長い時間1人になったことねーんだもん。



母さん...早く帰ってきてくれよ。



そう願って、ソファに添えてあるクッションに顔をうずめて涙を隠した


その時。







< 272 / 451 >

この作品をシェア

pagetop