【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。




*



「百目鬼くん、あの!!
よければ付き合ってください!!」



教室で大胆な告白。


目の前には顔を赤らめてる女。


いっちょ前に告白されるような歳になったのか...と。

俺は窓から見える桜の木に風を与えようと、わざとらしく息を吹きかる振りをする。



「...百目鬼くん、聞いてる?」


「...」


聞いてない、って言ったら怒るんだろどうせ。





「興味無い」



教室にいる生徒全員の前で公開処刑。


女は泣いて教室から飛び出していった。



「百目鬼ひでぇー」

「あの子けっこう可愛かったのにな、もったいない」

「まああのくらいじゃあ、百目鬼は靡かねえよ」



女に興味があるお年頃の男子諸君は言いたい放題。



でも、考えてみろよ


俺が振るかもしれねーのに、そんな事考えもしないで自信満々に教室で告白する女の方が悪いだろ。



「サイテー...」とか言ってる女子生徒も
俺が顔を向ければ顔を赤くする。



女って男よりバカで単純だ。




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