【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「やっほー百目鬼くん」
後味の悪い雰囲気を教室に残したまま教室から出て購買部に行く途中、廊下を歩いてると誰かに軽く肩を叩かれた。
「...んだ、歩夢か」
後ろを振り返れば、中学に上がって最初に絡み始めた堂本歩夢が立っていた。
「これからどこいくの?」
「パン」
「そうだと思って蘭の分も買っておいたよ、 はい」
「...どーも」
渡された焼きそばパンを素直に受け取る。
俺たちは屋上でパンを食べて休み時間を潰した。
「なあ歩夢」
「ん?」
「女とやるのって、そんなに気持ちいいのか?」
「...急にどうしたんだよ蘭。
女嫌いのお前が珍しいじゃん」
「あー...なんか毎日退屈でしょうがねえから。
そろそろ女でも食ってみようかと」
「...サイテー...」
「それ、女に言われ慣れてる」
「蘭の告白の断り方、いつもひどいもんね」
「...見てんのかよ」
「嫌でも聞こえてくるよ、だって同じクラスだし?」
「...」