【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
告白なんか1度も受け入れたことがない。
女の愛なんてたかが知れてる。
身をもって体験したこの俺が言うんだから間違いねえよ。
...母さん...いや、あの女だってそうだっただろ。
「俺は...女は嫌いだ」
「えっ、なに突然。
あっ...俺のことは狙わないでね。
確かに蘭、顔は綺麗だけど俺男には興味ないから」
「...バカかお前。
俺も男に興味なんてねえよ、ただ...女が嫌いなだけ」
「ふーん、モテるのにもったいない。
まあでも遊びの関係ってのもいいんじゃない?」
「遊び?」
「お互い欲を満たすためだけの存在、みたいな?
もちろん女の子には本気の子もいるから、本気にさせないように最初っから遊びだと断っておかないとね」
欲...ねぇ...
確かに満たせるだけの存在ならほしいかも。
俺だって男だ
女は嫌いだけど、女の体は好きだ。
なんか虚しいなー...と思える今の自分が健全なのかもしれねえ。
まだパンを食べてる歩夢の隣で寝っ転がって、目を瞑った。
起きた時には目の前に広がる空がオレンジ色に染まっていて
...どうやら俺は、午後の授業を出ずに寝て過ごしてしまったらしい。
薄情者の歩夢は隣には居なかった。
...たく、あいつ。
どうせなら一声かけて居なくなれよな。