【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
父さんからの暴力は、おさまるどころか日に日に悪化していくーーー...。
その日俺は、学校行事の手伝いのせいで帰りが遅くなった。
「...ただいーーー!?」
季節は冬。
明かりのついていない暗い家の中に入ると、玄関先で父さんが仁王立ちで立っていた。
驚きすぎて声が一瞬詰まった。
「なにしてんだよ父さん...部屋の電気くらい...」
真っ暗でなにも見えない場所に人が立ってたら、そりゃあ誰だって驚くだろ。
マフラーを取りながら家の中に足先を入れて、父さんの横を通った瞬間
ーーーグイッと、取ったはずのマフラーが元通りに巻かれて、俺の首をきつく絞めている。
「なっ...!?がはっ...!!」
「帰ってくるのが遅いぞ蘭。
お前まさか俺を1人置いて、あの女のところに行くつもりだったんだろ」
「...はあ!?なに言って...ぐっ!!」
父さんが力を込める度、マフラーが俺の首をきつく絞めてくる。
喉仏が奥に食い込んでいく感覚。
息が...息ができない。
俺が父さんを1人にするわけ...ねえだろ。
「とうさ...ハァ...ハァ...!!」
やっとマフラーから手を離した父。
マフラーと一緒に、俺は床に膝をついた。
「ゴホ...ッゴホッ!!」
「蘭、なあ蘭」
「ーーーッ!!!!???」