「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜
「……リュート」
文末の彼の署名を指でなぞって、もう一度手紙を胸に抱いた。
「……今すぐにでも、あなたに会いに行きたい……」
口にすると、涙がこぼれた。
「だけど……」
と、手紙を胸に考え込む。
「……行ってもいいの……」
答えを出せずに、自分の部屋に戻って、ベッドに身体ごと倒れ込んだ。
「……リュート…私……」
『あなたは結婚をしている身』ーー先程の母の言葉が頭をよぎる。
「……会いに、行きたいのに……」
手紙を固く握り締めて、ただ自分の身を呪うしかなかった……。