伯爵令妹の恋は憂鬱
結婚してすぐに向かったベレ家の別荘での新婚旅行。
ふたりきりの濃密な時間を過ごしたトマスは、初めて彼女との間にある、主人と従者という関係を超えたように感じていた。
驚くほど滑らかな肌に、自らの汗ばんだ体を撫でつけていくさまはどこか背徳的な気がしつつも、全幅の信頼をもって体を預けてくれる彼女が愛おしく、トマスは若干暴走した。
そもそもふたりの間には結構な体格差や体力差があるのだ。
それでも、トマスの欲求にマルティナは必死に答え続けてきた。
結果としてマルティナは三日目の朝にはベッドから起き上がれないほど疲弊してしまったのだ。
『トマス、嫌わないでください』
無理させたのはこっちだというのに、健気にもそんなことを言い出す幼妻に、トマスは平謝りしたい気分になる。
『嫌いになんてなるわけないよ。でもこれからは無理をさせないように気を付ける』
結果、今である。
屋敷内の仕事を覚えようと張り切るマルティナは、トマスが帰るころにはすでに疲労困憊である。
それでも、新婚なのだからと夜も必死で起きていようとしている。
可愛い瞳に見つめられれば、トマスの男の欲は刺激されてとどまるところを知らない。けれど、仮に今の状態の彼女を妊娠させたとしたら、たぶん彼女は無理のし過ぎで倒れてしまうだろう。