伯爵令妹の恋は憂鬱
*
マルティナの焼いたパイは、ずいぶんと上達していた。
以前食べたときはべたべたとした舌ざわりだったが、今日のはサクサクとしておいしい。
中に味付けされた肉が挟み込まれたポークパイは、夕食の一品として最高だった。
「うまい」
「本当ですか? うれしい」
夕食にはワインも供されていた。飲みすぎによる暴走を防ぐため、数杯飲んだあとは水に切り替える。
「トマス、最近忙しいんですね」
「ああ。いつもひとりにしてごめん」
「ううん。お仕事だから仕方ないです」
マルティナも一杯だけ、とワインを飲んでいる。年齢的にも酒にはあまり慣れておらず、直ぐに頬を染め、目をとろんとさせている。
(この調子だとすぐ寝てしまうかな)
そうでなければ困る。
ただでさえ溜まっているところに一緒のベッドに入ったら、襲わずにいる自信はなかった。
マルティナには早々に寝てもらって、自分は煩悩退治に夜の散歩といそしもう。
トマスは脳内でそう決意し、久方ぶりの和やかな食事を終えた。
マルティナの焼いたパイは、ずいぶんと上達していた。
以前食べたときはべたべたとした舌ざわりだったが、今日のはサクサクとしておいしい。
中に味付けされた肉が挟み込まれたポークパイは、夕食の一品として最高だった。
「うまい」
「本当ですか? うれしい」
夕食にはワインも供されていた。飲みすぎによる暴走を防ぐため、数杯飲んだあとは水に切り替える。
「トマス、最近忙しいんですね」
「ああ。いつもひとりにしてごめん」
「ううん。お仕事だから仕方ないです」
マルティナも一杯だけ、とワインを飲んでいる。年齢的にも酒にはあまり慣れておらず、直ぐに頬を染め、目をとろんとさせている。
(この調子だとすぐ寝てしまうかな)
そうでなければ困る。
ただでさえ溜まっているところに一緒のベッドに入ったら、襲わずにいる自信はなかった。
マルティナには早々に寝てもらって、自分は煩悩退治に夜の散歩といそしもう。
トマスは脳内でそう決意し、久方ぶりの和やかな食事を終えた。