今日もたっくんに溺愛されちゃっています。



「髪も濡れてるし、もしかして俺を誘ってる?」

「違…」



抱きしめる腕の力を緩め、真っ直ぐな瞳で私を見るたっくんに胸が大きく音を立てる。

そんなつもり全然なかったけど…私のこういう無神経なとこがきっとたっくんを苦しめてる。




「なーんてね。朱里がそんなこと考えるわけ、」

「そう…だよ」

「え?」

「さ…誘ってる……の、」




恥ずかしいけど…私も真っ直ぐにたっくんを見た。

有り得ないほど顔が熱くなったのは、夏の暑さのせいではないことくらい分かってる。



「それ、ちゃんと意味分かって言ってる?」

「も、もちろん」

「どうしたの?何かあった?」




何か?何も考えずに一緒に寝てしまって苦しめてるから、なんてそんなこと言えるわけない。




「何もないよ。ただ、私はたっくんが好きだからっ…!」



発した瞬間、たっくんの唇が私の唇を塞ぐ。

それは、いつものような優しく触れるだけのキスじゃなく、すごく深くて激しくて。

私の知らないそのキスが覚悟を揺るがせるように涙が溢れた。



「…朱里、」




深く重なっていた唇が離れると、たっくんは優しく私を抱きしめ名前を呼んだ。

私が知らないキスをして、私の知ってる温もりを与えてくれる…たっくんは私なんかよりずっとずっと大人だ。
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