溺れて。
「梨乃〜!おはよう!」
校門前で大好きな友達の声がした。
「茉莉、おはよう〜!」
ストレートの綺麗な髪が肩まで下りている茉莉。
丸顔で、目がぱっちりしててとても可愛い。そして、一人ぼっちだった私に声をかけてくれた恩人でもあるんだ!
「いや〜、クラス発表、緊張するね〜」
「うんうん、一緒のクラスがいいね〜」
もう4月の2週目に差し掛かろうとしているのに風がまだ冷たい。
学校指定のセーターで手を隠しながら、二人でクラス発表の看板の前に向かった。