溺れて。
教室へ向かうともうすでクラスメートの大半は揃っていた。
そして、新クラス特有のグループ作りももう始まっていた。
絶対に春休み中に染めてたであろう毛先がまだ色落ちしてなくて茶色の男の子。
スカートを何回も折ってパツパツの女の子。
何やら分厚い本を読む男の子。
新しいクラスを見渡すと色んな人がいた。
途端、クラスの扉が勢いよく開いた。
先生だ。
「ほらー最初のHR始めっぞー」
熱血教師って感じの赤めのジャージを着こなした30代くらいの先生だった。
斜め前の茉莉が振り向いて、あの先生が有名芸人に似ていると口パクをしてきた時は笑いそうになった。