溺れて。



にぎわいが少なくなってきて、みんなが新しい教室へと移動し始めた頃に私たちはクラス表を確認した。







私の名前を私よりもすぐに見つけたのは茉莉の方だった。




「あー!梨乃あったよ!5組だって!私は・・・・うそー!私も5組だよ!」





やった!!嬉しさがこみ上げてきた。




「やったね!!!また1年間よろしくね!」








茉莉がこの学校にいて本当によかった。




お兄ちゃんのこともあって、中学時代の後半は友達が距離を置くようになり、一人でいることが多かったんだ。




「自殺者の妹」 「可哀想に」




心配してくれる子もいたけれど、顔や態度を見る限り、本心ではなさそうだった。




高校でも同じ中学校の人は少なからずともいるし、そこから情報が漏れだして中学時代みたいな生活を送るのかな・・・。




なんてひやひやしていた時に手を差し伸べてくれたのは茉莉だった。










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