溺れて。
自己紹介はスムーズに終わり、お昼休みの時間になった。
みんなは新しく出来た友達や仲間と一緒に弁当を広げたり、食堂に向かっていた。
私は昨年同様、自作の弁当を茉莉と食べる。
教室の端の席を2つ隣り合わせにして、弁当を広げた。
今日は彩りを良くしようと思ってたくさん野菜を入れたんだ。
「わー、相変わらず梨乃の弁当は凝ってあるなー」
茉莉が私の弁当をのぞきこんだ。
「いやいや、そんなことないって」
一方の茉莉はというと、コンビニで買ったと思われるサンドイッチと紙パックのフルーツジュースが机に置いてあった。
「えええ、茉莉、初日からそれですか」
「だって今日寝坊しかけたんだよ〜!仕方ないじゃん」
もう、しょうがないなぁ…。
「春巻き余ってるから食べる?」
私は茉莉の元に春巻きを差し出した。
とたん、茉莉は目をキラキラとさせた。
「た、食べる〜〜〜!!!」