Perverse second
空いた電車のシートに2人で座ると、久し振りの感覚にわずかながらに緊張する。
出張から帰って来て、あまり三崎と話す余裕もなく、竹下の絡みも無碍にしてしまった。
結果こんな事態を引き起こしてしまったのではないかと思う。
竹下の敵意が完全に三崎に向かっていると認識していながら、それをどう回避すればいいのかわからず、適当にかわし続けたのが悪かったのか。
自分でも何が正解で何が不正解なのか。
それが分からない。
ただひとつ分かったことは、竹下を放置するとやばいという事だ。
全ての矛先は、俺ではなく三崎に向かっている。
自分の感情の前に、三崎に被害が及ぶのを、阻止しなければならないだろう。
そんな事を考えていると、いつの間にか電車は最寄り駅のホームに到着するため速度を落とし始めた。
改札口を出て、少しゆっくり目に歩を進めた。
何となく定着してしまった歩く時の二人の距離。
それを少しでも縮めたくて、半歩だけ踏み出して歩いた。
「三崎。お前はさっき遮ったけど、どうしてもあれは竹下のせいだと思う」
何の前触れもなく発した俺の言葉に、三崎は僅かな反応を見せた。
「最近の竹下は三崎に対する羨望や敵対心が剥き出しだ。気にはしてたけど、まさかこんなことをしでかすなんて思ってもみなかった」
三崎は否定も肯定もしなかったが、それはきっと認識できていただろう。
出張から帰って来て、あまり三崎と話す余裕もなく、竹下の絡みも無碍にしてしまった。
結果こんな事態を引き起こしてしまったのではないかと思う。
竹下の敵意が完全に三崎に向かっていると認識していながら、それをどう回避すればいいのかわからず、適当にかわし続けたのが悪かったのか。
自分でも何が正解で何が不正解なのか。
それが分からない。
ただひとつ分かったことは、竹下を放置するとやばいという事だ。
全ての矛先は、俺ではなく三崎に向かっている。
自分の感情の前に、三崎に被害が及ぶのを、阻止しなければならないだろう。
そんな事を考えていると、いつの間にか電車は最寄り駅のホームに到着するため速度を落とし始めた。
改札口を出て、少しゆっくり目に歩を進めた。
何となく定着してしまった歩く時の二人の距離。
それを少しでも縮めたくて、半歩だけ踏み出して歩いた。
「三崎。お前はさっき遮ったけど、どうしてもあれは竹下のせいだと思う」
何の前触れもなく発した俺の言葉に、三崎は僅かな反応を見せた。
「最近の竹下は三崎に対する羨望や敵対心が剥き出しだ。気にはしてたけど、まさかこんなことをしでかすなんて思ってもみなかった」
三崎は否定も肯定もしなかったが、それはきっと認識できていただろう。