Perverse second
俺がもっと慎重に行動をすべきだったんだ。



まさか個人的な嫉妬や妬みからきた感情が、こんな形で帰ってくるなんて思いもしなかった。



男には分からない女の感情というものなのだろうか。



何にしても、その原因を作ったのが俺自身であることだけは明白で。



それは俺が営業としての三崎の信用を潰すことだったということだ。



「絶対に柴垣くんは関係ない。そんな顔して間違っても謝るなんてことしないでね」



「いや、でも…」



三崎だって俺が無関係でないことくらい気付いているはずだろう。



「竹下さんの代わりに柴垣くんから謝られるなんて最悪だからね?それだけは絶対にやめて」



そう言った三崎は強気な表情をしていて、思わず目が丸くまってしまった。



三崎はきっと自分の中で全てを終わらせようとしているのだろう。



俺が引き金になっていたとしても、絶対に誰も責めないんだ。



「三崎はもっと怒っていいんだぞ?こんな事があって、それも冷静に受け止めようとしなくていいんだ」



「私は大丈夫だよ。結果的には協力を得られて事なきを得たわけだし」



そう言って微笑む三崎の言葉に、俺は衝撃を受けた。



俺なら絶対にそんな考え方はできない。
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