Perverse second
三崎の抱えている本心は、きっと俺が想像しているよりも大きなことなのかもしれない。



いつも頭で考えて冷静に装っているけれど、本当は誰よりも脆いかもしれない。



俺の前では取り繕うなんてことはしなくていい。



感情の赴くままに言葉を紡げばいいんだ。



誰にも見せなかった姿を曝してくれたあの夜のように、俺だけに心を曝け出せ。



「ちゃんと受け止めるから吐き出していいぞ?」



お前の全部を受け止める覚悟くらい、俺はとっくにできているのだから。



俺を見上げる三崎の頬をそっと撫でると。



なぜだか三崎の瞳に戸惑いの色が滲んだ気がした。



今さら何を気にするというんだ。



うまく言葉が出てこないのか、三崎の唇が僅かに震える。



その艶やかな唇を塞いでしまいたいけれど、そうしてしまっては三崎の本心を聞くタイミングを失ってしまうだろう。



恐ろしい勢いでもたげてくる自分の欲求を必死で抑えると、三崎の言葉を待った。



だが、いつまで経っても三崎の戸惑いが消える事はない。



もう一度言葉を掛けようかと口を開いた瞬間。



俺の言葉を遮るかのように、三崎のスマホが着信を告げた。
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