Perverse second
するりとさらった指は、まるで俺の心と同じように三崎に絡みつく。



振りほどかれる覚悟はあったけれど、三崎の指は大人しいままだ。



けれど体は一歩後ずさり、明らかに俺との距離を取ろうとしている。



どうして電話を取らせてしまったんだろう。



津田さんからの電話なんて、俺に良い事は何一つないと分かっているのに。



無理をして寛容に見せたことを早速後悔した。



三崎の表情を盗み見ると、最初と変わり真剣な表情をしている。



俺の関与できないところで何かが変わろうとしているようで、俺は初めて怖くなった。



それにしても……だ。



やけに電話長くねぇか?



俺と一緒にいるってことは分かってるくせに、津田さんは一向に電話を切ろうとせず、三崎との会話は続いている。



おかしいだろって。



絶対わざとやってやがる。



三崎を送るのを俺が断ったから。



その仕返しをされているのかもしれない。



他の奴らならば、受けて立つと強気で言えるのだが、津田さんとなれば話は変わってくる。



なにせ津田さんは俺の目標の人で、三崎の憧れの人でもあるのだから。



これで怖くならないわけがない。
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