Perverse second
それから数日後のある残業中。



「三崎さん、一緒に帰らない?」



三崎をさり気なく誘う津田さんの声が俺の耳についた。



返事に間があった三崎だったが、津田さんが何やら三崎に耳打ちする。



ちけぇんだよ。



そう思いながら横目で見ると、目が合ったのは三崎じゃなく津田さんだった。



薄く笑ったその顔は、まるで『残念でした』と舌を出されたような気にさせる。



くっそ、むかつく……。



心で毒づくと、あろうことか。


「はい。すぐ用意しますね」



三崎は笑顔でそう返事をすると、デスクを素早く片付はじめた。



「お疲れさまでした」



二人の挨拶に、みんな笑顔で返していたけれど、冗談じゃない。



フロアから出て行った二人に俺は返事も返さず、邪魔できないほど雑務があった自分に腹が立った。



明後日の入荷予定に合わせて注文取ってきて数字は伸ばせるけれど。



「明日にしときゃ良かった……」



ボールペンをくるりと回して溜め息と一緒に呟いた。



その時、フロアの入り口から津田さんが戻ってくるのが見えて、俺は慌てて視線を逸らした。
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