Perverse second
……なんなんだ、それは。



敢えて俺を煽るように報告してきた津田さんに、腹の底から「ふざけるな」と叫んでやりたい。



今すぐ追いかけて、三崎を連れて帰りたかった。



しかし俺にそんなことができるはずはない。



津田さんは自分の気持ちに正直に行動しているだけ。



それを受け入れるのも受け入れないのも三崎の気持ちひとつだ。



三崎から答えをもらえるのは、三崎に誠実に向き合った男だけなのだ。



そして俺はそれをしてこなかった。



だから今ここで、あの二人を見送るだけの立場になっているんだ。



今さら悔やんだところでどうする事もできず、俺は何かに追われるように仕事を片付けた。



俺が自宅に戻ってきたのは二十一時前くらいだった。



三崎のマンションを通り過ぎる時、ふと見上げてみたけれど、どの窓が三崎の部屋なのかすら知らないことに肩を落とした。



シャワーを浴びて身体はスッキリしても、俺の心は一向に晴れない。



三崎は今頃何をしているんだろうか。



津田さんの告白を、どんな気持ちで聞いているんだろうか。



津田さんの真っ直ぐな気持ちに対して、いったいどんな答えを出すのだろうか。



頭を巡るのはそんな事ばかりで、気を紛らわすために付けたテレビの音なんて、一切聞こえてこなかった。
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