Perverse second
耳に響くコール音が冷たくて、俺の心臓がバクバクと音を立てる。



コール音が止み、三崎とつながった瞬間。



「三崎っ!お前、行くなって言ったろーがっ!」



『ひゃっ』



有無を言わせぬ俺の先制攻撃に、電話越しの三崎は小さく悲鳴を上げた。



「何処にいる?すぐ行くからっ」



もしかしたら、もう津田さんと一緒にいるかもしれない。



俺のこんな行動は、三崎にとってとんでもなく迷惑な事なのかもしれない。



それでももう、俺にはこうするしかないんだ。



『帰ってないし行ってないっ。リラクゼーションルームにいるからっ』



ハッキリと聞こえたその声に、俺は一瞬力が抜けた。



良かった……間に合った。



「すぐ行くっ」



一言そう言って電話を切ると、俺はボタンを押して呼んでいたエレベーターのドアが開いたのを無視して、非常階段へと走り階段を駆け上がった。



とてもエレベーターでのんびりなんてしてられない。



たとえ三崎の心の中に津田さんがいたとしても。



たとえ俺との事が、もう完全に消去された過去の遺物だとしても。



それでもいいから、この気持ちだけは言葉にしたい。



綺麗さっぱり粉砕されてもいいんだ。



この想いが本物で、俺自身がこの気持ちを大切にしてやれさえすれば、他は何も望まないから。



だから、一秒でも早く三崎に会いたい。



階段のドアを大きく開けてリラクゼーションルームに入ると、あたりを見回し三崎を探した。
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