Perverse second
そりゃ俺だって言い過ぎたと思わなかったわけじゃない。



後悔だってしなかったわけじゃない。



もしも時間が戻るなら、あんな冷たい言い方せずに優しく諭してやるのに。



何度そう思ったかわからない。



「ま、何度巻き戻せても同じ結果になったと思うよ」



俺の部屋なのに、我が物顔でシャワー後の濡れた髪の毛をガシガシと拭きながら、陸は鼻で笑ってそう言った。



「だから俺は忠告してやったろ?自業自得だな」



「わかってる…」



「ちょ…素直で気持ち悪いんだけど。マジでそこまで落ち込んでんの?」



「そうじゃなかったら陸なんて追い出してる」



いつもみたいに上手く軽口も叩けないほどのダメージを負っている俺は、渋々ながらも陸にTシャツとハーフパンツを投げつけながら溜め息をついた。



「もう3ヶ月だぞ。拷問だよ」



「よっぽどだったんだろーな」



「失敗したよなぁ…」



あれ以来、三崎は露骨に俺の事を避けだした。



初めは怒りゆえかとも思ったが、次第にそうじゃないとわかった。



完全に怯えられている。



今さら優しく接しても挽回できないほどに。



話しかけても返事しか返ってこねぇし、目も合わねぇ。



俺にとって、この上ない苦痛だった。
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