Perverse second
きっと三崎の中で俺の株は急下落。



いや、もともと株価があったかも怪しいところだが。



「なんだかさ、三崎さんを好きになってから、義人が可哀想でしかたなく見えるよ」



「そう言いながらニヤニヤしてんのはどーしてだよ」



「どーしてだろーな」



「面白がってるからだろーがっ」



「すまん、面白いっ」



童顔の可愛らしい笑顔でそう言われると、いつも牙を抜かれてしまうのだ。



「確かに美人だし、人当たりもいいし、男達はこぞって三崎さん推しだけどさ」



そう言うと陸は、ぐぐっと眉間に皺を寄せた。



「不本意ながら。ほんっとーに不本意ながら、お前の人気も相当だぞ?ちょろっと誘えば入れ食いなのに、何でまた厄介な女に惚れたかなぁ」



「そんなの俺が一番聞きたい」



惚れたいと思って惚れるわけじゃない。



好きになりたいと思って好きになったわけじゃない。



三崎は俺の気持ちなんてお構いなしに心に入ってきて。



もう追い出すことなんて完全に不可能。



「早めにどうにかしないと、義人は間違いなく初失恋決定だな」



「そんな予言いらねぇよっ」



心からそう願ったけれど、俺の運命は俺の放った一言で大きく曲がりだしてしまった。
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