Perverse second
クリーニングしたてのお気に入りのスーツに身を包み、俺は陸と一緒に１時間早く着くように家を出た。



本社に戻る事が決まったと陸に報告すると、すぐに部屋探しを始めてくれた。



『義人の為に』と何度も何度も繰り返していたけれど、最近同棲し始めた気の強い彼女と喧嘩した時に、避難する場所として確保しときたいというのが本音のようだが。



怒られる度に『マジで恐ろしい女だ』と嘆いているが、陸にはそういう彼女が合っていると思う。



「いよいよ運命の再会ってやつだな」



「俺だけが思っているだけじゃ運命とは言わないだろ」



「ご愁傷さま」



「まだ早ぇよ」



本社前に着き緊張している俺の気持ちを解すかのように、陸は冗談めかして笑った。



社長や上層部に挨拶を済ませると、朝礼に間に合うように古巣２課のフロアへと向かった。



「「おはようございます！」」



社員の声で、朝礼が始まったことを確認し、ぎゅっとネクタイを整えた。



「えー今日は新しくうちの課に配属になった人を紹介しようと思います。入って！」



俺は小さく息を吐き、緊張を吹き飛ばすかのように颯爽と歩き出した。
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