Perverse second
紙を見ると出席の欄に全員分の判子が押してある。
急だというのに出席率の良さに笑ってしまう。
けれど三崎は何やら考えているようで。
「俺もコイツも参加」
逃げられる前に退路を断つべく、強引に三崎の参加を告げた。
「ちょっと柴垣くんっ」
「なんだよ。どうせ参加なんだろ?」
「それは…そうだけど。」
三崎の性格上、たとえ予定があったとしても1人だけ不参加なんてことはしないだろう。
それがわかっているからできる強引な策。
「なんで柴垣さんが勝手に決めちゃうんですか?結菜さんにデートの約束とかあったらどうするんですかっ」
不満そうに発した水田の言葉が、俺の頭を『これでもかっ!』と言うほど殴りつけた。
デート…?
「あんの?」
平静を装いながらも内心は願うような気持ちだ。
『ない』って言えよ、と。
「ないないっ。そんなの全然ないから!」
あまりにも焦る露骨な否定に疑問を感じたけれど。
突っ込んでボロを出されて傷付くのは御免なので、それはそのままスルーする事にした。
「あ、そう言えば。上原さんが『どうして俺を呼ばないんだ!俺も行くぞ!』って喚いてました」
「陸が?もちろん断ったんだろうな?」
「当たり前です」
「ナイス判断だ」
「上原さんって面白いけどウザいんですよねぇ」
「否定はしねぇ」
突然振られた陸の話に賛同していると、三崎はさり気なくその場からフェイドアウトしていった…。