Perverse second
「いやいや、だってさ。義人がそんな顔して女の子見てるなんて初めてだから。よっぽど凄いモノ出てんのかと思うじゃん」



「凄いモノ出てんなら余計にガン見しねぇよっ」



「じゃあ何だよ」



「何って……」



何なんだろう?



ただどうしても視線があっちに向かってしまう。



その笑顔が見たくて我慢できない。



変態丸出しが許されるなら、聞き耳立てて声とか聞きてぇし。



出来ることなら何かに託けて話しかけてみたい。



何の接点もない俺が話しかけるとか、無理な話だけど。



それでも何だか落ち着かなくて、さっきからずっとバクバク動悸がする。



何に興奮してんのか、何に反応してんのかわからない。



けれどあの子を見てると…堪らなくなる。



「俺…病気かも」



「じゃ、今すぐ帰れ。倍率減るから」



「絶対帰らねぇ」



それよりもむしろ。



絶対に受かりたい。



心の底からそう思った。
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