Perverse second
容姿、雰囲気、笑顔。



どれをとっても文句のつけようがない。



彼女はきっと間違いなく内定を貰えるだろう。



彼女の第一希望がここかどうかは定かじゃないが、俺も受かっていなければ話にならない。



何が何でも絶対に内定取ってやる。



気合を入れ直して陸を受け流しつつ順番を待っていると。



「……するの?」



「うん、もちろん……」



微かに聞こえてきたふわりと柔らかい声。



やっぱり全てが彼女らしい。



何一つ違わず全てがしっくりくる。



俺の視線の先の彼女と俺を見比べながら、頬杖をついてニヤニヤしている事すら気付かないほど、彼女の声に集中していた。



「もったいない気もするけど、いいの?」



隣に座っている綺麗系のスレンダー美女が彼女に問いかける。



「内定をくれた他社には申し訳ないけど、ずっと憧れてた会社だもの。ここで働きたい」



彼女がそう言い切った時、俺の口角が上がったのがわかって、慌てて手を被せ手隠したのだけれど。



「…義人のへ・ん・た・い」



どうやら間に合わなかったようだ。
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