Perverse second
「やっぱりって…どういう意味?」



おずおずと聞いてくる彼女の表情が、男心をくすぐるんだ



思いっきり甘やかして愛でたいところだが…。



「別に。ただ勿体ねぇなって思ったんだよ」



本人を目の前にするとそうもいかないのが恨めしい。



脳内ではいけるんだけどな…。



「勿体ない…?」



そう、勿体なさすぎるんだよ。



「お前、もっと自然に笑えるし、自然に怒れるだろ?そういうのは出してかねぇと勿体ねぇよ」



理想と日常に埋もれて、本当の自分自身がくすんでいくのが怖くて。



重い重い鎧で武装している三崎は辛そうだ。



「柴垣くんはいつもそういうニュアンスで言うよね。どうしてそう思うの?」



そんなことを聞かれるなんて思っていなかった俺は、なんと答えていいものかと口篭る。



「最初に一つだけって言っちまったしなぁ」



腕組をして余裕のあるふりをするけれど。



どこをどう言えば不自然じゃなく答えられる?



どこまで言えば気持ちを悟られない?



そんなことばかりを考えていた。
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