Perverse second
俺の心情とは逆で、三崎は懇願するかのように俺を見つめる。



嫌いな男の言葉を待つなんて、よっぽど切羽詰っているのかもしれない。



今まで何一つ優しくなんてしたことのない俺に…。



それだけ真剣に今の状況を打破したいという事なのだろう。



「わかったよ」



俺はそう言って溜め息を漏らした。



「お前の理想の女がどんな人間なのかは知らねぇし、目指している何かがあるのかも知れねぇけど、今お前の被ってる皮がソレなら止めとけ。お前には向いてねぇから」



思いやりなんて欠けらも無い言いぐさ。



そんなことは充分わかっていたけれど、俺は敢えてストレートに言葉を濁さず言い切った。



三崎は途端に泣きそうな顔に変わり、



「いくら毒舌の柴垣くんでも酷い」



と唇を尖らせる。



「三崎が知りたがったんだろーが」



「そうだけど、もうちょっと柔らかい言葉が返ってくると思ってたんだもの」



「あほ。俺相手に甘えるな」



その突き出た唇に噛み付きたくなる衝動を必死に必死に抑えて。



平静を装ってそう言ってしまったけれど、本当は俺にだけ甘えて欲しくて堪らなかった。
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