Perverse second
誰にだって理想はある。



誰もが現実に打ちひしがれる時もある。



誰でも見せられない自分を持っている。



それでも踏ん張ってられるのは、自分を支えてくれる何かがきっとあるからだ。



物でも動物でもいいんだろうが、俺はやっぱり人が一番じゃないのかと思うんだ。



一人で踏ん張っている三崎に、本当の三崎を望んでいる人たちがいるということを理解して欲しい。



だから…。


「とりあえず俺にはバレてんだから、少しずつ俺で練習すればいいんじゃねぇの?」



「でも…」


そのうち、俺にだけしか見せない三崎の顔が見られればそれでいい。



「遠慮はいらねぇよ。俺もするつもりねぇし」



「え?」



そう、遠慮するつもりなんて微塵もない。



今まで一人で大人しく燻っていたんだ。



これからは踏み込んで暴いて、絶対俺だけのの女にするから。



だから覚悟しとけよな。



相手に届くことのない自分本位な宣戦布告。



「さ、もう残業すんのも面倒くせぇし、帰るか」



この話を掘り下げたくない俺は、ポカンとしている三崎を他所に、そそくさとデスクを片付け始めた。
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