Perverse second
無理矢理眉間にしわを寄せて陸を睨むと、
「何がだよ」
ぶっきらぼうにそう言った。
「もしかしてお前…」
けれど陸は薄笑いしたまま顔を寄せてきて。
仕方なく俺も耳を向けると。
「……惚れたの?」
陸の言葉がやけにクリアに聞こえた。
「……は?」
「お前、あの子に惚れちゃったの?」
「………え?」
惚れ…た?
俺が…彼女に…?
「んんーー?」
完全に脳内パニックで、自分の感情がどうなっているのか全然わからない。
頭を悩ませ始めた俺に、陸は勝ち誇ったような笑顔を向けて肩をポンと叩いた。
「うんうん、義人はいいよ解らなくて」
「その言い方、すげームカつく」
「仕方ないっしょ。だって義人は『落ちない男』だからね」
「意味わかんねぇんだけど」
「落ちることを知らない男ってこと」
そんな説明されても意味がわからず、俺はさらに唸る。
まあまあ、と言いながら悟った様な笑みを漏らす陸に若干苛立ちながら。
それでも俺の目は彼女を捉え続けた。