Perverse second
電話越しから聞こえてくる、陸の笑い声。



いつもなら腹ただしく思うのだろうが、今の俺にはそんな余裕は全く無い。



『三崎ちゃんと一緒に帰るのに、随分時間かかったなぁ』



「うるせ」



つか『三崎ちゃん』ってなんだよ、馴れ馴れしい。



『そんなヘタレな義人の質問に、順を追って答えてやろう。可哀想だから』



「…てめ」



誰がヘタレで可哀想なんだよ。



……あながち間違いでもねぇけど。



『お前は大事なことを忘れてるようだな』



「大事なこと?」



『そう。義人と三崎ちゃんの関係性は?』



「…は…?…」



俺と三崎の関係性…。



そんなの聞かれたって、何も無いことを浮彫にするだけで答えようがない。



『その虚しい沈黙が正解だろ?何にもない、ただの同期ぃ』



虚しい…。



『そこで。お前がピンと来ないこと教えてやるよ。お前と三崎ちゃんが同期ってことは、俺と三崎ちゃんも同期ってこと。しかもお前は3年間大阪にいたというブランクがあるけど、俺はノーブランク』



…そうだった。



『しかも俺は義人と違って無害。そうくりゃ三崎ちゃんが何処に住んでるのかなんて、簡単に分かるわけ』



「あ」



そんなこと、全くの盲点だった。
< 63 / 193 >

この作品をシェア

pagetop