Perverse second
三崎の意志なんて完全に無視した自分本位の身勝手なキス。



最低なことをしている自覚は十分にある。



それでも、全く力の入ってないポーズだけの突っ張った手は、俺の欲を増長させた。



どうしても本気で抵抗されているようには思えなくて。



俺は調子に乗って、そろりと舌で彼女の唇をなぞった。



ピクりと震えた唇が、俺の舌を招き入れるかのように開きはじめて…。



グイッと両肩を掴んで、自ら捕らえた三崎を引き離した。



これ以上は…ヤバい。



何もかもを顧みず、無理矢理にでも三崎を抱いてしまいそうだから。



三崎の唇から漏れる甘い吐息に目眩を起こしそうになりながらも、何とか理性を取り戻した。



「お前は『みんなの三崎さん』で『高嶺の花』にみられてんだから。こういうことも覚悟して送られろって言ってんだよ」



未だ暴走しそうになる体を必死に抑えながら口にした言葉は空っぽで。



三崎の視線の変化にも気付けていなかった。



俺は早く三崎の視線から逃れたくて、そっと彼女に背を向け。



「…早く帰れ」



ぽそりとそう呟いた。



「……おやすみなさい…」



少しの間のあと三崎がそう言うと、足早にマンションの中へと駆け出した。



あとに残されたのは後悔と自責の念。



馬鹿なことをしてしまった。



三崎を傷付けてしまった。



せっかく少しづつ歩み寄れてきたというのに、台無しになるかもしれないという恐ろしさ。



そんな不安に押しつぶされそうで、暫くその場から動くことは出来なかった。
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