Perverse second
ひゅっと息を詰まらせて、三崎は俺が縮めた距離分、大きく一歩後ずさる。



縮めれば離れる距離が虚しくて、俺は更に大きく踏み出して壁に追い詰めた。



「…近い…」



それ以上近づくなとでも言うかのように、三崎は両手で俺の胸を押し返す。



その腕を素早い手つきで一つに纏めると、三崎の頭上に縫い止める。



「ちょっ…何…」



「お前を追い詰めるなんて簡単なんだよ。これくらい津田さんでもできる」



「またそんなこと…」



言い返そうと俺を見上げた三崎の瞳が揺れて、みるみるうちに潤みだす。



こんな目をして見つめられて、平常心でいられるはずがないじゃないか。



「やっぱりお前は変わってねぇな」



「……」



「お前は男をダメにする女だ」



「それって…っ…」



ずいぶん前にも投げつけた言葉。



この意味なんて三崎は解ってもいないんだろう。



それでもいいから。



今はまだたくさんの事を知らなくていいから。



頼むから津田さんのイメージに囚われないでくれ…。



懇願するように俺は三崎に口付けた。
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