Perverse second
その中に福岡支店一のクセの悪さが囁かれている、営業の中西と一緒にいる三崎を発見した。



当然、その中西がジェントルに振舞っているわけもなく。



下心のオーラを纏った中西の手が、三崎の肩に回されている。



年上だし、先輩だし、本当ならば敬うべき立場の人間なのだろう。



しかしいい噂の一つも聞かず、反対に勘違い男と悪名高い中西だ。



その中西が三崎に触れているなんて、『さん』付けするのも腹ただしい。



「柴垣くんっ!一緒にタクシー乗っていこっ」



「私も。柴垣さんの隣に座りたいですっ」



「一応、俺もおるっちゃけど」



「あぁ…仕方ないけん豊島くんも一緒でいいよ」



「酷い言われよう…」



ぐいっと女子社員二人に両腕を取られて、俺も半分拉致のようにタクシーに乗せられてしまった。



タクシーという名の密室の中で、中西と三崎は二人きり。



正確には運転手もいるにはいるが、基本的に男女二人の前では空気のような存在になるのだろう。



海岸沿いから繁華街まで、驚くことにタクシーで10分そこら。



その間、彼女の身に何事も起こりませんように。



車内の会話も上の空で、俺は柄にもなく心の中で祈っていた。
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