極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
再会して、パーティーの雰囲気も相まって、昔の感情を思い出してしまったら……?
膨らむ不安は止めたくても止まってくれない。


深呼吸してボタンを押しかけてはやめ、それを何度も繰り返してから、とうとう私は通話ボタンを押した。

一コール、二コール。
やっぱり怖くなって、途中で切ってしまおうかと思った時、通話が繋がった。


『もしもし』


「高梨さん?」


『柚希、どうした?』


遠い高梨さんの声に、胸がいっぱいになる。
今、ニューヨークは午前八時。早すぎず遅すぎず、まだビジネスは始まっていない時間帯のはずだと思ったけれど、彼の声音は優しくてもどこか私と二人きりの時のものとは違っているような気がした。


『何か困ったことが起きたのか?』


「いえ、そうじゃないんですけど……」


いきなり用件を尋ねられるとは思っていなかったので、少し口ごもる。


< 290 / 365 >

この作品をシェア

pagetop