極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「あの、でしたら、冷蔵庫からコーヒーのクリームを出していただけますか? 中段の右のトレーにあります」


冷蔵庫を開けたお母様はふと動きを止めた。


「……いろんなお惣菜があるのね。これ、柚希さんが作ったの?」


「はい」


お母様はそのまま冷蔵庫の中をしげしげと眺めている。
いったい話がどこに向かうのか分からず、私は洗剤のついたスポンジを手に持ったまま、直立していた。


「私ね、お料理が下手なの」


閉め忘れ防止の電子音が鳴り始め、お母様は「ごめんなさい」と言ってドアを閉じた。


「さっきのチャーハン、美味しかったわ。私はあんなふうに、ありあわせの物でささっと料理することができないの。センスがないのねぇ」


そう言って恥ずかしそうに笑った。


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