結婚しても恋をする
「えー本当に貰っちゃって良いの? このコートとか全然着れるー」
清花の家で、全身鏡の前ひとりファッションショーをしながら歓声を上げた。
年末の休みに突入し、いらない服をくれると言うので出向いたが、お洒落かつ綺麗に保管してある。
「年末の間にある程度処分したくなっちゃったんだよね。フリマアプリも良いんだけど、中々売れないし」
衣服を粗方選別すると、買って来たケーキでお茶にした。
じきに3歳を迎える元気な盛りの清花の子どもは、先程から眠りに入ったようだ。
「そんなことになっていたとはねー……」
近頃の成り行きの概略を話し終えると、紅茶を一口含み息をついた清花が、わたしの目を見てあけすけに意見を並べた。
「これ以上踏み込むのはどうかと思うよ、今後の幸せな日常の為に。話聞いてると、灯梨は頭では全部解ってると思うんだけど……課長を好きでいても幸せになれないし、旦那との関係も破綻するかも知れない、全てを失うのも解ってる……でも気持ちが処理しきれない、ってとこかな……。社内恋愛だと吹っ切るの難しいって聞く」