心をすくう二番目の君
……また、キスしちゃった……。
頭の端に過ぎらせながらも、押し寄せる幸福感に抗う術もなく、啄むような口づけに応える。
左手が腰に触れて来て、びくりと身体が跳ねてしまう。
身体の芯に、熱が迸ったのが解った。
なんて幸せなんだろう。
そう感じてしまったことに、酷く罪悪感を覚えた。
何度も何度も唇を重ねながら、わたしの脳内ではまだ冷静な思考が働いていた。
腰が砕けそうで、よろめいた脚がヒールの音を鳴らした。
……わたし達は、付き合っていなくて……“ネミ”さんにも、こんな風に触れるんだろうか……。
こんな噛み付くようなキスを、するんだろうか……。
頭がくらくらと回って、目尻に涙が滲んだ。
何か大切なことを欠落させているような感覚が、心の底から湧き上がって来る。
何となしに甘い雰囲気が漂ってはいるけれど……。
わたしの状況は、創一さんの時と何も変わってはいないんじゃないか?
違和感の正体に気が付いた。
倒れないように春志のジャケットにしがみつく。
互いの息遣いとリップ音だけが、耳に付いた。
相手が創一さんから春志に変わっただけで、わたしはやっぱり二番目のままだった。
高揚と背徳と虚無が一気に襲って来て、気がおかしくなりそうだった。
射場係長の時にはなかった、纏わり付くような後ろめたさに苛まれる。
だってあの時は、他の人の存在を知らず、知ってしまってからも自分が本命の可能性に希望を託していたから──
それしか考えていなかった。
だけど今は……最初から明白な浮気関係だ。