心をすくう二番目の君

目を見開いている内に、唇を割って舌が口内に侵入する。
大きなごつごつとした手がパーマのかかった毛先を下から梳いて、そのまま首の後ろを固定されてしまう。
胸元を叩いて抵抗したが、絡み付く快感に、すぐに気勢を削がれた。

「……ふっ……」

微かに漏れ出た自分の息遣いが耳を掠める。
早く離れないとまずい。
解っているのに求めに応じてしまう。
スーツの上から、筋肉の付いた腕に掌を這わせた。

「小椋さーん? いるー?」

僅かに距離を感じさせる位置から、男性の声が聞こえた。
突き飛ばすように慌てて離れたのは、寧ろ創一《そういち》さんの方だった。

「……じゃあ、残りの引き継ぎは頼んだよ」

もっともらしい嘘を言い捨てて、射場係長は足早に去って行った。
入れ替わるように建物の影から中薗さんが現れ、ぎくりと肩を震わせてしまう。
彼はわたしを一瞥すると、目線を逸らしてぶっきらぼうに言い放った。

「……口」

言われたことが飲み込めずにいると、続けられる。

「口紅、はみ出してる」

「!!」

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