心をすくう二番目の君
この人、クズ過ぎない……?
さも真っ当な主張であるかのように、仰々しく眉根を歪め指先を充てがっている。
頭をぶたれたようなショックを覚えたと共に、此処へ来て漸く悟った。
否、痛くて見ていられないから、目を逸らしていただけかもしれない。
これまでだってずっと、端々で察していたことを、改めて実感しただけだ。
心が抉られるようだ。
瞼をぐっと瞑り、拳を握り締める手は震えそうだった。
「……要は、どっちも好きでどっちも手放すの惜しいってだけで、わたしの気持ちはどうでも良いってことですよね」
「そんなこと言ってないだろ……」
「あなたの言動から、そう読み取れるんですよ!」
意図せずも声を張り上げていた。
彼に向かってこれ程までに口調を荒げたのは、初めてのことだった。
もっと早くに終わらせるべきだった。
強く出られなかったから付け込まれて、最悪の事態に陥るまで目が醒めない。
「……別れて下さい。もう付き合ってるとか付き合ってないはどうでも良いので、あなたとの関係は終わりにします」
「……ちょっと待て」
俯いて振り絞った掠れ声が震えていることを、耳が拾ってから把握した。
あまりの悔しさに目尻に滲んだ雫が零れないよう、堪えた。
何故こんな目に遭わなければならないのか。
何に対する涙なのかわからないが、この空々しい関係にただただ胸痛ませていることだけは理解した。
そうしているうちに腕を取られてしまった。