心をすくう二番目の君
「……おはよ……」
寝起きの挨拶を交わすことが出来るこの瞬間を思い、胸が詰まって声にならなかった。
「どうした……? 花澄……」
少し上体を起こして、細い腕をわたしに伸ばす。
決意が揺らぎそうだったから、その手を取らずに立ち上がり背を向けた。
「昨日はありがとう。……最後に楽しく過ごせて、良かった……」
見立て通りに流れたはずの沈黙が、心を刺す。
訝るような声が背後から届いた。
「……最後?」
絶対に泣かないと決めて、我慢して振り返ると笑顔を向けた。
「ねっ、終わりにしよ。だってもうゲームオーバーだよ。セックスしないから成り立ってたのに」
「……ゲームオーバー……?」
春志は放心したように、目を見張っていた。
「もうこんな関係は懲り懲り……全部終わりにしたい。ネミさんにまでバレて、面倒なことになるのは沢山だよ」